遺産分割が難航している - 調停の申立 -

相続手続きは遺言書があれば基本的に遺言書の内容に従って遺産を分割します。遺言書がない相続では相続人全員で遺産分割協議を行い遺産の分割方法を決定する必要があります。

ここでは遺産分割協議が難航し進められない場合に家庭裁判所へ調停（遺産分割調停）の申し立てを行うケースを解説していきます。

多額の財産や相続人同士の関係性など遺産分割協議には様々な事情が絡み合います。また、複雑な相続の場合、会ったことの無い相続人が登場したり、もともと仲が悪かったりなど全員が納得する遺産の分割なかなか決まらないことが多いです。

遺産の分割方法を決める遺産分割協議では相続人全員の合意が必要で、協議の最後に作成する書類、遺産分割協議書には相続人全員の署名と捺印が必要となります。また相続財産の名義変更はこの遺産分割協議書が必要となりますので、一人でも遺産の分割方法に納得いかない相続人がいると遺産分割協議が進まず相続財産の分割ができません。

このように遺産分割が円滑に進まない場合、家庭裁判所へ調停（遺産分割調停）を申し立てることができます。

遺産分割調停は、家庭裁判所へ申し立てることによって、相続人の間に調停委員（第三者）が中立的な立場で介入し、話し合うことで解決を目指します。

遺産分割調停は相続人のうちの1人または何人かが他の相続人全員を相手方として申し立てます。
遺産分割調停前に、分配する相続財産と相続人を確定させ、遺産分割調停に必要な書類と関連資料を作成し、家庭裁判所へ申し立てます。

申立先の家庭裁判所は、「相手の住所地を管轄する家庭裁判所」 または、「当事者同士で決めた家庭裁判所」になります。相手が複数いる場合には、誰か1人の住所地を管轄する家庭裁判所で問題ありません。調停が始まると、相続人それぞれの主張を個別に確認するため、家庭裁判所より調停期日の通知がきますので、その指定された日に家庭裁判所へ出頭します。

もしも、この遺産分割調停でも解決ができなかった場合には裁判へと移行することになります。ほとんどのケースが遺産分割調停で、遺産分割協議はまとまりますので裁判まで発展してしまうことはレアなケースとなります。