遺言書の検認手続きについて

被相続人が遺した自筆証書遺言または秘密証書遺言に対して、家庭裁判所において検認の手続きを行います。検認の手続きにおいては、遺言が法的に有効か無効かは判断されませんので注意が必要です。

1. 相続人に対し、遺言の存在や内容を明らかにする
2. 遺言書の形状・加除訂正の状態・日付・署名等の検認の日、現在における遺言書の内容を明確にし、遺言書の偽造・変造を防止する

自筆証書遺言または秘密証書遺言の保管者または発見した相続人は、家庭裁判所において検認を行うことが義務づけられています。家庭裁判所外で遺言書を開封すると５万円以下の過料に処されます。
遺言書の保管者または遺言書を発見した方は、自身で開封せずに必ず家庭裁判所に検認手続きの請求をしましょう。

なお、2020年7月10日より、「法務局における遺言書の保管等に関する法律」が施行されますので、自筆証書遺言を法務局で保管出来るようになります。法務局に保管されている遺言書は、検認手続きが不要になります。

1. 遺言書の保管者ないし遺言書を発見した相続人が、遺言者の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に、申立書、遺言者と相続人全員の戸籍謄本や収入印紙等を持参の上、検認の申立てを行います。
2. 後日、家庭裁判所から相続人全員に対して遺言書の開封期日の通知が届きます。申立人は検認手続きに出席（他の相続人が出席するか否かは任意）します。相続人が揃わなくとも検認手続きは行われ、家庭裁判所において相続人等の立会いの下、遺言書の開封と検認をします。欠席した相続人等には検認が行われた旨の通知がされます。
3. 検認手続きが済むと遺言書の原本は申立人に返還されます。遺言書に検認済証明書が付いている必要があるため、検認済証明書の申請を行い、遺言を執行します。

遺言書の検認後は、遺言書の内容に沿って遺言者の遺産である不動産等の名義変更の手続きを行います。その際、遺言書に記載されていない遺産が存在した場合には、遺言者の遺産内容を再度調査し、その遺産の引き継ぎ先について相続人全員で遺産分割協議を行います。

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